準備中の私塾

ふらりと立ち寄って何かを拾っていってもらえるように。。(一通り勉強してこられた一般の方向け)

〈義務〉〈推定〉そして〈感情〉を表す should

should と言えば、まず「~すべき」という〈義務〉の should ですが、過去形助動詞 would, might, could と共に should も〈推定〉を表すことがあります。

www.thoughtco.com

上のリンク先の記事で言っている Putative "Should' というのが「推定の should」です。が、とても為になる引用がふんだんに盛り込まれた記事なのですが、母国語を研究する人の灯台下暗し的な問題があります。引用された Oxford の定義からして、putative と言いながら〈義務 mandative〉の should の話をしています。

Also Known As: emotional should, attitudinal should, hypothetical should, subjunctive should" (上記記事より)

とあります。しかし、〈推定 putative〉の should と〈仮定 hypothetical〉の should や 〈叙想(法) subjunctive〉の should は別に扱われるべきもので、一緒にされると学習者は混乱します。同じひとつの should にいろいろ用途があるのだと説明して欲しいです。

助動詞はいずれも本動詞に話者の発話時の感じ方を添える役目をし、時制は主節や文脈に依存します(時制の一致でなければ現在時制。過去を意味するには完了形をつける)。

"Putative should is more common in British English than in American English. (上記記事より)

ともありますが、〈推定 putative〉の should は、以下のグラフを見たところでは、近年頓に、どうもアメリカのほうでより多く使われているようです。

should にイギリスのイメージがあるのは、アメリカの present subjunctive(仮定法現在)に should を使うせいでしょうか?命令や提案、主張などの内容に使う should は、これも〈推定〉ではなく〈義務〉や〈確実性〉でしょう。

グラフは上がイギリスで、下がアメリカです。

Ngram result for British English:

f:id:karlalou002:20180615134914j:plain

Ngram result for American English:

f:id:karlalou002:20180615135237j:plain

なにより学習者にとっての変わり種は〈感情〉の should だと思いますが、

よく、It is [adj.] (that) X should ~ の形で使われるものです:

"It's strange that we should be staying here."
A native speaker: This use of “should” in a noun-clause, which is usually introduced by that, is a standard use to express surprise, [dis]approval, an urgent need, justice, will, wishes, etc. (More on the original post)

しかし、これは(上記リンク先記事に挙げられた6つの例もすべて)〈推定〉ではなく〈義務〉の should です。

〈推定〉して「するかもしれない」と驚くというのは珍しい状況で、さらなる文脈が必要です。そうではなく、予期せぬ事態に「いったいどうしてそんなことをしなくちゃいけないの」と、〈義務〉表現を介した意外性の表明です。イタズラする弟に、"Why do you have to do that" と、アメリカでもイギリスでも言います。

これも、イギリスに多いのかと思えば、英米共にほとんど似たような傾向で使われているようです。

Ngram result for British English:

f:id:karlalou002:20180615104111j:plain

Ngram result for American English:

f:id:karlalou002:20180615104229j:plain